Public Interest Incorporated Foundation Association of Tsumago Lovers

妻籠宿を守る住民憲章 | 公益財団法人 妻籠を愛する会

タイトル01

妻籠宿を守る住民憲章

[ 昭和46年7月25日宣言 ]

1.目的

 貴重な文化財の保存と自然環境の保護について、その必要性が今日ほど強く叫ばれているときはない。
 このことは、文化財とその自然環境が危険な状態に置かれているか、または破壊の一途をたどっているのが現状である。
 妻籠宿は、早くからこの点に着目し、さびれゆく郷土を昔の姿に復し、これを後の世に継ぐために、地域住民が一丸となって宿場保存の運動をおこし、力強くおし進めてきた。幸い、わが町と県が計画した明治百年記念妻籠宿保存復原工事及び信濃路自然遊歩道中山道ルート新設工事が実施され、併せて「観光資源保護財団」からの援助も得て、一応妻籠宿とその周辺の美しい自然環境を破壊から守る画期的な基礎を築くことができた。
 われわれは、更に心を新たにして保存に最善の力を尽くすとともに、わが宿場の文化的価値と観光資源を地域の産業振興と結びつけ、これをよりよく活用するため、妻籠住民の総意に基づきこの憲章を制定する。

2.保存優先の原則

 保存をすべてに優先させるために、妻籠宿と旧中山道沿いの観光資源(建物・屋敷・農耕地・山林等)について、「売らない」「貸さない」「こわさない」の三原則を貫く。

3.保存区域

 妻籠宿から展望できる周辺と旧中山道沿いを保存区域とする。

4.外部資本から妻籠を守るために

(1)妻籠宿と旧中山道沿いは、特異な存在であるとともに、地域住民の大切な財産である。
(2)外部資本が侵入すれば、自然環境や文化財の観光的利用による収益も、地元に還元されることなく、外部へ流出してしまうだろう。

5.地域住民が自らを守るために

 妻籠宿の復原が進み、自然が保護され観光的に脚光を浴びるようになった現在、苦しく、かつ寂しかった過去の妻籠宿を忘れてはならない。

妻籠宿 座右銘「初心忘るべからず」


 次に掲げる事項に該当する場合は、別に定める統制委員会へ事前に申し出なければならない。

(1) 所有者を変更する場合。
(2) 所有者が氏名、名称または住所を変更しようとするとき。
(3) 指定物件に滅失、き損があった場合。
(4) 土地の所在、地番、地目または地籍に異動を生ずるとき。
(5) 指定物件の現状変更または保存に影響を及ぼす行為をしようとするとき。
(6) 復旧しようとするとき。

6.風致を保全するために

(1)宿場内と旧中山道沿いの景観をそこなうような行為をしてはならない。
(2) 広告、看板並びに一般ポスター、政治活動用ポスター(選挙運動期間中を除く)等は、掲示してはならない。
(3)建物の修繕並びに新・改築等に用いる色彩は、黒又は黒かっ色を使用すること。

7.環境整備をするために

(1)宿場内の静寂を保つため、物売り、宣伝、車両等による騒音を発してはならない。
(2)旅館、民宿、土産店等は、午後10時までに閉店する。
(3)衛生思想の高揚を図るため、宿場内と沿道の清掃ならびに関係機関による食品衛生指導などを定期的に実施する。

8.防火態勢を確立するために

(1)各家庭で使用する石油、ガス類は必要最小限に留めること。
(2)危険物取扱店は、法による安全性と防火措置を完全に履行すること。
(3)歩行中の喫煙はつつしむこと。

9.防犯態勢を確立するために

(1)旅館、民宿においては、法による所定の宿帳を備付け、正確に記載すること。
(2)盗難、さぎ等の犯罪に対しては、あらかじめ自主的にその方途を講じておくこと。
(3)不測の事故が予測され、又は発生したときは、速やかに警察当局に連絡しその措置に協力すること。

10.交通安全を図るために

(1)宿場内における路上駐車を禁止する。
(2)風致保全と事故防止のために、車両は、車庫へ格納すること。
(3)宿場内における車両の時速は、20㎞とすること。

11.町・県・国に対して

 自然環境、風致保全並びに災害防止のため必要な措置を要請する。
 この憲章を履行するため「妻籠を愛する会」に別に定める要綱により統制委員会を設けて推進する。

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